航空機部品の製造を手がける「株式会社和田製作所」代表取締役 和田典之 著作

シマウマの逃げ方 ライオンの追い方

著者 和田典之 昭和27年生まれ。愛知県清須市在住。
航空機部品・治具の製造を手がける株式会社和田製作所、航空機の設計や幅広い事業を展開する株式会社ワダエンジニアリング、航空機の塗装や構造及び艤装組立作業を行う株式会社エアロの代表取締役を務める。航空宇宙産業に長年従事する傍ら、クラフトアートを用いた個展の開催や音楽アルバムの制作、各種自治体やサプライヤーグループの要職を担うなど、多種多様な活動を行っている。

航空宇宙産業で長年精緻なモノづくり業をマネージメントしてきた著者が、現代日本のビジネス社会や停滞した組織を最適化する寓話を紡ぎました。新感覚の自己啓発書です。
ISBN978-4-434-16786-7 四六判(並製本)・総252頁

著者 和田典之ってどんな人?

航空機関連会社三社を束ねる代表取締役

航空機部品・治具制作会社「和田製作所」、航空機の設計、構造組立から艤装、治具製作、塗装まで、幅広い事業を展開する「ワダエンジニアリング」「エアロ」の代表取締役です。

地域社会、業界の未来を考え続ける人

西枇杷島町民生委員児童委員、西枇杷島町社会教育委員、西枇杷島町商工会会長、清須市社会教育委員長、三菱名航協力会会長、愛知県航空機部品供給システム研究会代表世話人、清須市商工副会長、名古屋清須ロータリークラブ会長、愛知県社会教育連絡協議会会長等を歴任したり、東日本大震災復興支援プロジェクト"愛×想"(アイソー)を立ち上げ、活動を行うなど地域社会、業界の未来を考え続ける人です。

アートな人

音楽CD『Little』を制作したり、クラフトアート&写真の展覧会『Little ~次へ』を開催したりもする、アートな人です。

航空宇宙産業の一翼を担うビジネスパーソンとして、愛知県の地域人として、そして和田典之個人として、つねに現状を越えたすこし先の未来を見通し、切り拓く人なのです。

「和田製作所」「ワダエンジニアリング」「エアロ」ってどんな会社?

ワダエンジニアリング外観「和田製作所」は、半世紀以上の間、航空業界の一翼を担ってきた会社です。航空業界で数多くの実績を築いてきた会社ですが、和田典之社長は「歴史に甘んじることなく、技術の進化を追い求め、時代の航空産業の発展に貢献していきたい」と考えています。2009年に竣工した新社屋は、その「進化の精神」の証。混じり気のない真っ白の社屋は、「新たな時代の色を吸収して成長する起業でありたい」という和田典之社長の思いの象徴なのです。

株式会社ワダエンジニアリングでは航空機の機体や治工具、自動車や産業機械の部品等の3D-CAD設計やプロダクトデザインや一般商用デザイン、各種ビジネス開発を展開し、株式会社エアロでは、航空機の構造及び艤装組立、航空機の塗装作業、航空機組立治具の設計を展開しています。

航空宇宙産業で長年精緻なモノづくり業をマネージメントしてきた著者が、現代日本のビジネス社会の「すこし先」を見通す寓話を紡ぎました。新感覚の自己啓発書です。ファンタジー仕立ての物語で語られた本の中から、ビジネス社会をまっすぐに切り拓いていくためのエッセンスだけを抽出、その一部をご紹介します。

才能とは、努力しなくても出来ること、いつも自然に出来ることです。社会の成功者の多くは、得意分野で勝負して地位と名声を築き上げました。スポーツ選手はその最たる例です。自分の才能を把握し、得意分野を伸ばすことが、成功への確実な道です。逆に、ある分野の仕事が努力をしても出来ない人は、その才能を持っていないわけですから、自分を蔑(さげす)むような言動をしないで、得意なことを見つけましょう。

現在に至るまでの道のりを「苦労した」「頑張った」と必要以上に自己評価する姿は、あまり格好の良いものではありません。大人たちが「当たり前」のように困難を乗り越えて行く姿を子供たちに見せること。これが大人が取るべき行動であり、未来の社会を良くしていきます。

現在は、ルールを守らなかった人に罰を与えるというシステムで社会が動いています。しかし、この考え方ではいつまで経っても社会は良くなりません。自然界ではルールを守れる動物のみが生き残っています。だから人間もルールを守った者のみに得があるというシステムを作れば、社会はもっと良くなっていくはずです。

「自分だけが正しい」という考え方をする人は、分別がない人です。普通「正しい」と思った場合、半分は正しくても、もう半分は間違っているものです。そして、物事が正しいか否かを判断するためには、多くのことを知らなければなりません。少ない条件で答えを出すと、間違う恐れがあるのです。自分の考えを多くの条件で判断出来る人が、正否の分別のある人です。

取り引きは「同じ価値のもの」を交換することで成立します。これは、物々交換の時代に誕生したルールです。物々交換から金融の時代になった今でも、この「対等」という基本は変わりません。現実には取り引き相手を裏切って利益を得ようとする人や企業が存在しますが、ルールに背いた取り引きはいずれ破綻(はたん)して、自らに返ってきます。相手をダマさない取り引きが、自分と社会を成長させるのです。

多数決とは、人々の意見を平等に取り上げる手法だと考えられています。しかし、組織の中には強固な力関係が存在し、権力を持つ者は常に多くの支持者を掴(つか)んでいます。だから下の者がいくら良いアイデアを出しても、少数派である限りは、多数決では負けてしまいます。でも、そのように下の意見を絶対的多数の力で押さえつけてばかりの組織は伸びません。良いアイデアだと思えば「自分より上のポジションに行っても当然だ」ぐらいの気持ちで部下を引き上げられる上司がいる組織が大きく成長するのです。また、上司の計らいで出世を果たした当人は、そのことを「感謝」する心を忘れてはなりません。その心がけがあれば、組織はより良く機能します。

「失敗は成功の母」というように、人間は失敗からしか学べません。だから、失敗をした時は反省して「なぜ失敗したか?」を分析する必要があります。その名も『なぜなぜ分析』です。ひとつの失敗に対して「なぜ失敗したか?」を五回繰り返せば、失敗の原因が明確になります。すると「予防」や「是正(ぜせい)」「修正」の方法が見つかります。失敗を恐れて行動しない人に成長はありません。失敗をしたら、反省をすればいいのです。そうすれば必ず道が開けます。

現状システムは、かつての問題を解決するために作られた「標準」です。それが時を経るにつれて拡散してしまい、今の問題が生じています。今を変えようとするならば、拡散しているものを集めて「標準化」することで新たなシステムを生み出せばいいのです。このように標準化の更新を続けることが、社会を正しく、効率よく機能させます。

好きな人や仲の良い人と一緒に仕事がしたいと思う人は多いでしょう。しかし「チームワーク」を考えると、好きな人同士や仲良し同士の集団は馴れ合いになりやすく、仕事に対する厳しさが欠けてしまうことがあります。つまり、単なる「仲良し集団」では組織や社会は強くならないのです。異質な人や相性の合わない人が集まった、多様な個性の集団であって初めて、チームワークは強くなります。だから人間関係の摩擦(まさつ)はあって当たり前と考え、相性の悪い人でも受け入れる大きな心と、誰とでも仲良くする知恵を養えば、社会は成熟していきます。

航空宇宙産業で長年精緻なモノづくり業をマネージメントしてきた著者が、現代日本のビジネス社会や停滞した組織を最適化する寓話を紡ぎました。新感覚の自己啓発書です。
ISBN978-4-434-16786-7 四六判(並製本)・総252頁